当社では、木材の乾燥方法を天日乾燥もしくは低温乾燥に限定し、高温乾燥材は使用しません。
低温乾燥とは40~70℃程度の低い炉内温度で乾燥させる方法で、外からの高温で乾かすのではなく、木材が自ら水分を放出することを促すことが特徴です。
【高温乾燥材を使用しない理由】
家の強度を必要とする構造材では、芯持ち材(木の年輪を中心にもった柱等の製材品)が使われますが、芯持ち材は中心の「芯」の部分が乾燥しにくく、木材の表面側との間で収縮する寸法の差が大きくなり、表面割れ(千割れ)が発生します。
こ の「表面割れ」は、見た目の悪さからクレームになりやすいため、この表面割れをなくすために、木材の表面を引っ張った状態で高温で乾燥させて、表面割れを 起きにくくした「高温セット」が行われるようになりました。しかし、このように高温セットがされた状態で高温で乾燥を続けると、外側からは見えない「内部 割れ」が起きることがあります。
内部割れは、木材を刻みにより組み合わせて、木材の粘り強さを引き出す「継手・仕口」の強度や耐力を大きく落とすことになります。また、接合部分だけでなく、木材自体の強度(特にせん断強度)が低下することも明らかになっています。